その「エンジニア採用」が不幸を生む を読んだ

この本のおそらく対象読者は経営者、人事担当であり、背景としてエンジニア出身ではない人たちなのだろうと感じた。

業務で普通にコーディングしている自分のような人だと、「まぁそうだよね」っていう要素が多分に含まれている為、響いた要素はそんなに多くなかったのかもしれないけど、「もし自分が採用側に立ったら」という視点で幾つか気になった点をまとめていきたいと思う。

エンジニアを採用する目的

ソフトウェア外注の内製化は、コストをかけてでも質の高いものを作るか、社内の余剰人員を稼動させ、キャッシュフローの社外への流出を防ぐのが基本です。

僕はベトナムでのオフショア回していた経験があるので、ここには非常に同感している。 やっぱり、外に投げるほうが、日本で開発する分にはコスト減になるというところは同意する。 ここでいう「質」っていうのはいろんな意味があると思うけど、自分の経験上の感覚だと「目的に対して最適なものを作る」という意味だと思っていて、外注だとそのプロジェクトが生まれた背景を骨の髄まで理解できないという意味で質が低い物ができるのではないかと思う。

経験則的に上記の質は非常に大事。とくに今までなかったようなシステムを創る場合は。

人事担当

成功したエンジニアが人事部門にいることは企業にとって大きなプラスですが、エンジニアとしての能力不足が原因で配置転換もしくはキャリアチェンジした元エンジニアは、自分で「人事業務にキャリアチェンジし、人事採用業務に徹する」と決意した者以外、現職のエンジニアにとって大きなマイナスになります。もちろん、自身より優秀な人を採用することは極めて困難でしょう。

採用担当者に必要なのは、自社の開発の特性を理解し、必要なエンジニア像をイメージし、社内で調整力があって、良い採用プロセスを構築・運用できることです。

まぁそうですね。ただ、この本で挙げられている特性という部分に関して、toBなのかtoCなのかやベンチャーなのかみたいな例が上がっていたけど、それがわかっていない採用担当がいるっていうのが衝撃だった。

エンジニア市場の特性

人材紹介会社にとって、エンジニアは転職市場において希少価値があり、採用希望企業数も圧倒的に多く、エンジニアの給与水準もほかの職種より高く、高額の成果報酬が期待できるので、最も激しい主戦場となっています。

最近では、社外での勉強会やSNSを通じて、エンジニア同士やCTOの方のところへ転職の打診があるケースが増加しています。

良いエンジニアに出会うためには、現実には地道な採用活動がメインになります。ハニートラップなどではなく、FacebookなどのSNSでエンジニア同士がつながり、勉強会などを通じて人間関係ができ、エンジニアの転職のきっかけになることのほうが、よっぽどリアルで、考えるべき採用ルートです。

人材紹介会社に来るエンジニアと来ないで転職するエンジニアという住み分け?があることが、エンジニア界隈であることかなぁ。 ようは"人材紹介会社にとって"というところがミソであり、希少価値があるっていうのは、そこで探そうとするからかなぁと。

CTOは採用の前面にたとう

CTOは、次のようなことを真摯に説明するのが重要です。 - 「技術開発のポリシーや開発現場のカルチャーはどのようなものか」 - 「どのような技術、どのような開発手法で、開発・運用をおこなっているのか」 - 「エンジニアのキャリアに関して、どのようなビジョンと制度があるか」 - 「どのような考えで、開発部門をマネジメントしているか」

たしかにこういうの気になるなぁ。結構この辺でミスマッチ起こりそう。 それこそ、今どういう技術を使っているかっていうより、どういう方針で技術を取捨選択し、どれくらい現場に任せているのかみたいなところを見る人は多そうな気がする。

エンジニアのおちんぎん

エンジニア職の賃金テーブルを、年功序列カーブから、20代半ばから実力に応じて一気に上昇し、30代の前半で一度ピークをつける賃金カーブで設計してみてはいかがでしょうか。30代の後半以降は、マネージャー職やシニアエンジニア職を選択してもらい、選択時にいったん給与は下がるものの、ゼネラリストもしくはスペシャリストそれぞれのレベルに応じて再び給与が上がっていく、フタコブラクダのような賃金カーブです。

そういう発想はなかった。でも確かにそうですね。とは言え、賃金テーブルに関しても、年齢が本質なのではなく、職種やスペシャリティーに対して給与を決めるみたいなところが必要なんでしょう。 30代後半じゃなくても、優秀なマネージャーだったら給与は下げなくてもいいし。

評価システム

「感性を生かした評価システム」を具体的に構築し、客観的に運用することでミッションが明確に実現され、それが会社の個性としてクライアントや転職する意向のあるエンジニアに認知されるようになったことは、大きな成果といえるでしょう。

評価するときに、やっぱり会社として向かっている方向に向かった人を評価したいっていうのは経営側はある気がするんだけど、大体それってふわっとしているから、具体的に落とし込むっていう作業は非常に大事なんだろうなぁ。 そもそも会社として向かっている方向が無いのはあれだけどw

研修

細分化された目標の技術・スキルを確実に身につける教育環境の整備も重要ですが、最も優れた研修は、開発の最前線にいる最も優秀なPM・エンジニアによる実践的な研修でしょう。エース級のエンジニアによる研修だからこそ、価値があるのです。しかし、これができる企業はあまり多くありません。

そうね。これできる会社は強いでしょう。そもそも誰がエースなんですかねってところから考える必要はあるけども。

マネージャーとエンジニア

米国の場合、ITプロジェクトのマネージャーは、MBAを持ち、最初からマネジメントの教育を受けた方であるケースが多く、「プログラマシステムエンジニアになり、ある年齢になるとマネージャーになる」といったキャリアパスはあまり見かけません。プログラマも、システムエンジニアも、プロジェクトマネージャーも、縦割りの職種なのです。

なるほどなぁ。やっぱり違うんだよなぁ。こういう文化の企業だと、おそらくやんなきゃいけないことも明確なので、自殺しちゃったり鬱になっちゃったりっていうのも少ないんだろうな。その分縦割りだから実力云々をフラットに評価されるんでしょう。一回はこういう環境で働いてみたいものですね。

最大の敵は社内にいる

これまで、良いエンジニアに働いてもらうためのいろいろなプランを見てきましたが、実現には多くのハードルがあることでしょう。最大の敵は、社内にいます。ハードルとなる第1要因は、「コスト削減優先」「エンジニアは原価だ」と考える、ITに理解のない経営者です。

ねー。

まとめ

エンジニアは特殊な人たちみたいな感じで、経営者は苦労するみたいだけど、多分ちゃんとマッチングするスキームが一般化していないから、ようわからんで終わっちゃってるんだろうなぁ。 採用段階ではちゃんとマッチングするためのエンジニア、仕事双方の性質の正規化が求められ、採用後では双方が相互に理解する努力は必要なんだろう。